Bluetooth® 技術の最新バージョン登場 – バージョン 5.2 について詳しく見ていきましょう。
Bluetooth® は、ストリーミング オーディオ アプリケーションおよびオーディオ デバイスの業界標準として長い間使用されてきました。 2020年1月に開催されたCESカンファレンスで、BluetoothはBluetoothテクノロジーの最新バージョンであるバージョン5.2を発表しました。 バージョン5.2は、次世代のワイヤレス機器やオーディオ技術に新たな利点を提供します。
Bluetooth バージョン 5.2 の 3 つの主要な機能とデバイス メーカーにとっての意味について知っておくべきことをすべて説明します。
Enhanced Attribute Protocol (EATT)
Bluetooth バージョン 5.2 では、オリジナルの Attribute Protocol（ATT）を強化した、Enhanced Attribute Protocol (EATT) というバージョンを搭載しています。 ATT は逐次方式で動作し、トランザクションは 1 つずつ実行されますが、EATT は Bluetooth LE クライアントとサーバーの間で同時または並列のトランザクションを実行できます
EATT により、異なるアプリケーションからの L2CAP パケットを分解して、より小さく管理しやすい塊に組み合わせることが可能になります。 この方法により、2つ以上のアプリケーションからのトランザクションを同時に完了することができます。 この機能により、複数のアプリケーションが同じBluetooth LEスタック上で動作している場合、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。 また、全体の待ち時間も短縮されます。 EATTは仕様上オプションであり、両方のBluetooth LEデバイス間で暗号化された接続を必要とするため、ATTよりも安全です。
LE Power Control Feature (LEPC)
LE Power controlにより、Bluetoothバージョン5.2を実行している2つの接続デバイス間の電力伝送を管理することが可能になりました。 ワイヤレスレシーバーは、最高の信号品質を提供する最適な受信信号強度範囲を持っています。 LEPC では、受信デバイスはパートナー デバイスの受信信号強度インジケーター (RSSI) 信号を監視し、いずれかの方向に送信電力レベルの変更を要求することができます。 または、送信機が任意で送信電力を変更し、その情報を受信機に中継することもできます。 また、受信側でのエラーを減らし、ダイナミックパワーマネージメントにより全体の電力消費を低減します。 さらに、LEPC による電力管理は、WiFi や Zigbee などの 2.4 GHz 帯の他の信号との共存も改善します。
Isochronous Channels (ISOC)
Bluetooth Classic および LE の以前のバージョンからのメジャー アップグレードとして、Bluetooth バージョン 5.2 ではアイソクロナス チャネルもサポートします。 アイソクロナスチャネルは、LE の物理層バリアントのいずれでも使用できます。
- コネクション指向の通信。 このモードでは、各データストリームはConnected Isochronous Stream (CIS)と呼ばれます。 左右のイヤホンで音声を再生する場合など、CISの同期が必要な場合は、Connected Isochronous Group（CIG）で連結されます。 同じCIGに属するCISは参照データを共有し、複数の受信機で同期してストリーミングできるようになります。 バージョン5.2のデバイスでは、複数のCIGを作成することも可能です。 さらに、CIGは双方向のデータ転送を可能にするので、デバイスがソースデバイスに制御データを送信することが容易になります。
- コネクションレス通信。 このモードでは、スマートテレビのような単一のソースが、同期した複数のストリームにデータを流すことができます。 この場合、各ストリームはBroadcast Isochronous Stream (BIS) と呼ばれ、BISの各グループはBroadcast Isochronous Group (BIG) と呼ばれます。 CIG と同様に、Bluetooth 5.2 を搭載したデバイスは複数の BIG を作成できます。
Bluetooth バージョン 5.2 の新しいアイソクロナス チャネルは CIG と BIG のデータ再送信をサポートしますが、方法はそれぞれ異なります。 CIG の場合、マスターはスレーブにパケットを送信し、スレーブはサブイベントごとにパケットで応答します。 一方、BIGの場合は、マスターだけが各サブイベントでパケットを送信します。 ISO インターバル（「イベント」が発生する間隔）は、5 ミリ秒から 4 秒の範囲です。
LE Audio
ISOC により、デバイス メーカーは、複数のユーザー、さらには複数の言語で、非常にクリアな音でオーディオをストリームする製品を構築することができます。 ISOC は、LE Audio および Bluetooth LE の新しいオーディオ コーデック LC3 (Low Complexity Communications Codec) の基盤として機能します。
LE Audio は Bluetooth Classic および Bluetooth LE を顕著に向上させます。 より少ない電力と帯域幅で、高品質のオーディオ伝送を可能にします。
LC3 は、オーディオ転送を圧縮して非常に低いビットレートにスケールダウンすることにより、オーディオ機器メーカーにとって重要な利点である音質の向上と携帯電話のバッテリー寿命の延長を実現します。 Bluetooth SIG によると、LC3 は Bluetooth Classic の標準コーデックである SBC よりもはるかに優れたサウンドを提供します。
Bluetooth バージョン 5.2 と LC3 は、消費者による Bluetooth オーディオ アクセサリの使用方法を大きく変えることになるでしょう。 LC3 はマルチストリーム機能を持ち、デフォルトで複数の同期接続をサポートするので、True Wireless ユーザーは、より速いペアリングとはるかに優れたバッテリー寿命を享受できます。
LC3 と LE オーディオにより、補聴器技術の将来も明るく見えます。 CES 2020 では、プレゼンターが、補聴器ユーザーが機器を音源に直接接続できるようにする、LC3 を搭載した小型のサウンド・エミッター・デバイスを実演しました。 また、LC3 は低消費電力でエネルギー効率に優れているため、メーカーは、1 回の充電でより長く使える、より小型で目立たない補聴器を製造できます。
Take Bluetooth® バージョン 5.2 to the Next Level
Bluetooth バージョン 5.2 の新機能により、オーディオ機器メーカーは多くの新しい機会を得ることができますが、この技術がもたらすものを引き出すには、正しい SoC ソリューションが必要とされます。 Telink社の新しいTLSR9チップシリーズは、最新のBluetooth規格であるバージョン5.2、EDR、BR、LEをサポートし、将来のオーディオ機器を強化することが可能です。 このマルチプロトコルRISC-Vベースのシリーズは、最高のパフォーマンスを発揮するように設計されており、屋内測位やBluetooth MeshからOpenThreadまで、さまざまなアプリケーションを最適化することができます。 さらに、Telinkは、1つのチップでBluetooth ClassicベースのTWSとBluetooth LEベースのTWSの両方をサポートする超低遅延を実現するデュアルモード・ソリューションを発表します。
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