[Differential diagnosis in children having delirium associated with high fever]

高熱に伴う譫妄を呈する子どもは、特にインフルエンザ感染で脳炎や脳症になる可能性があります。 本研究の目的は,幻覚を訴えて救急外来を受診した患者のうち,中枢神経感染症やパラソムニアの患者を良性一過性せん妄と鑑別することである。 本研究では,2歳から7歳までの10名の患者を対象とした. 内訳は,マイコプラズマ感染症による脳脊髄炎とインフルエンザ感染症による急性壊死性脳症の2名であった. 残りの8名は高熱に伴う良性せん妄であったが,自己限定的に消失した. 3名は熱性けいれん(FS),4名はFSの家族歴を有していた. 寄生虫症を伴うせん妄と良性型せん妄の鑑別のポイントは,恐怖の表出,肯定的な過去歴,自律神経症状であった. せん妄は幻視からなり,脳症の患者では覚醒時にせん妄となる以外は睡眠に伴って発生した. 髄膜徴候や意識障害などの神経学的異常所見,覚醒時のせん妄の出現,脳波背景活動の著しい低下などは,良性型と中枢神経感染を伴うせん妄の鑑別に有用な警告因子であると考えられた.

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