頸部リンパ節に転移があり、徹底した身体検査、疑わしい部位または最も可能性の高い部位の指示生検、画像診断で原発巣を検出できない場合に頭頸部の原発不明と診断される。 この症候群を有する患者の最適な管理は、まだ不明であり、議論の余地がある。 われわれは,この症候群を有する24人の患者の管理について,われわれの結果と分析を報告する。 1976年から1992年にかけて,頸部リンパ節に転移性の扁平上皮癌を有する24名の患者が当医療センターで受診した。 徹底的な検索を行ったが、いずれも原発巣は検出されなかった。 患者は病変のある頸部の根治的郭清を受け、23人は片側、1人は両側の頸部病変を有していた。 術後放射線治療は頸部の両側と粘膜および粘膜下層の原発巣となりうる部位に行われた。 臨床的N期、多数の浸潤リンパ節の組織学的所見、被膜外への腫瘍進展の有無、生存率との関係を統計学的に解析した。 生存率解析にはKaplan-Meier法を用いた。 N1、N2群とN3群の比較、および2)被膜外進展の有無の比較におけるlog-rank検定のp値は0.005未満であり、被膜外進展と非被膜外進展ではやや小さかった。 グループ全体の5年、10年無病生存率は54.2%(N1、N2は70.5%、N3は14.2%)であった。 3人の患者が局所再発を起こし、2人は原発部位、1人は鼻咽頭、もう1人は中咽頭であった(後者は未切除の頸部にも再発病変があった)。 8名の患者において、放射線治療後7〜38ヶ月で遠隔転移が発生した。 再発した11人(45.8%)全員が臨床N期を進行し、顕微鏡所見では多数のリンパ節転移があり、周囲の軟組織や血管への腫瘍の被膜外進展が顕著であった。 治療直後に遠隔転移が多発したことは、広範なリンパ節および節外病変を有する患者において、治療前に血行性転移があったことを示唆している。 10年以上の長期無病生存率は、根治的頸部郭清と術後の頸部放射線治療を含む複合治療法と、N2およびN3病変の患者における原発巣の可能性を示していると思われる(我々のN1グループは少なすぎて分析できない)。 今後、早期発見・早期治療により、さらなる治癒率の向上が期待される。