酵素濃度の増加による反応速度への影響を調べるには、基質が過剰に存在する必要がある、つまり、反応が基質濃度に依存しない必要がある。 一定時間内に生成される生成物の量の変化は、存在する酵素の濃度に依存することになる。 図式的には次のように表される。
これらの反応は「ゼロ次」と言われるが、これは速度が基質濃度とは無関係で、ある定数kに等しいからである。 基質を増やしても速度が上がることはない。 零次速度論では、アッセイを2倍の時間実行すると、生成物の量は2倍になる
順序 | 速度式 | |
---|---|---|
ゼロ | rate = (ゼロオーダー) k | rate is independent of substrate concentration |
first | rate = k | rate is proportional to first power of substrate concentration |
second | rate = k=k2 | rate is proportional to the square of substrate concentration |
second | rate = k | rate = krate is proportional to first power of each of two reactants |
ある反応に存在する酵素の量は、それが触媒する活性によって測られる。 活性と濃度の関係は、温度、pHなど多くの要因に影響される。 酵素アッセイは、酵素濃度が唯一の制限因子となるように、観測される活性が存在する酵素の量に比例するように設計されなければならない。 図5では、ABの領域では活性が濃度に正比例しているが、BCの領域ではそうではない。 酵素活性は一般に基質濃度が制限されない場合に最大となる。
酵素反応の生成物の濃度を時間に対してプロットすると、図6のような曲線が得られる。
AとBの間で、曲線はゼロオーダー反応、つまり時間に対して一定の速度を持つものを表す。 基質を使い切ると、酵素の活性部位は飽和しなくなり、基質濃度が律速となり、BとCの間で一次反応となる。
理想的に酵素活性を測定するには、反応がゼロ次である曲線の部分で測定する必要がある。 基質濃度が最も高いので、最初は0次反応である可能性が最も高い。
図7は、酵素アッセイで遭遇する可能性のある3種類の反応を示し、単一の測定しか行われない場合に遭遇する可能性のある問題を示す。
Bは、反応時間の一部または全部について酵素活性を正確に決定できるゼロオーダー反応を示す直線である。 Aは図6に示したような反応である。 この反応は、最初はゼロオーダーで、その後、基質の枯渇や生成物の阻害により、反応が遅くなるものと思われる。 このような反応は「先行」反応と呼ばれることもある。 真の「潜在的」活性は点線で表されている。 曲線Cは、最初の「遅れ」段階がある反応を表している。 ここでも点線は測定可能な活性を表しています。 生成物濃度を複数回測定することで、各曲線をプロットし、真の活性を決定することができます。 Eの終点を1回だけ測定すると、3つのサンプルの酵素濃度がすべて同じであるという誤った結論を導くことになる。